こんにちは、タクオです。
コロナ禍が落ち着き、世の中が「通常モード」を取り戻している2023年。
我々タクシー業界も、ビジネスや観光などの需要回復に伴って毎日忙しくさせてもらっています。
中でもいちばん実感しているのが、 インバウンド需要の回復 。
去年までは外国人旅行客を乗せる機会がほとんど無かったのが、今年の3月あたりから「だいぶ増えてきたな」と感じています。
ということは、羽田空港の国内線だけではなく、国際線での営業もしやすくなった わけですね。
そこで本日は、羽田空港第3ターミナルタクシー乗場(国際線)への入構方法・並び方 を、写真や画像を交えながら 詳しく解説 いたします!
ただし!
国際線は僕も今年に入ってから行き始めたので、まだまだ経験値が足りません。
もしかしたら、今回の記事の中に間違いや説明不足の箇所があるかもしれませんので、予めご了承ください。
そして、もし間違いや説明不足がありましたら、その際はご連絡 & ご指摘いただけましたら、ありがたい限りです。
目次
まずは入構条件の確認
国内線と同様、国際線乗り場に入構するにも条件があります。
ですので入構方法・並び方を解説する前に、まずは羽田空港国際線(第3ターミナル)タクシー乗り場への入構条件を確認していきましょう。
奇数 or 偶数は関係なし
国際線の入構条件は、国内線と同じものがベースとなっています。
その上で国際線だけに適用される条件があるので、公益財団法人 東京タクシーセンター(通称「タクセン」)のホームページにある 羽田空港 東京車両乗り場の入構条件及び運用について を、改めて確認してみましょう。
【羽田空港 東京車両乗り場の入構条件及び運用について】
① 車両末尾番号による入構規制(第5優良タクシー乗り場を除く)
② 定額運賃導入事業者の車両
③ 定額運賃表をヘッドレスト後部等に掲出すること、又は運転者は旅客に対し、当該運賃表により説明すること
④ ETC装着車両(首都高速距離制通行料金に対応するため)
⑤ 『WELCOME ABOARD』ステッカーを貼付した車両
指差し外国語シートを携行しており、同シートの活用方法及び挨拶、ドア・トランクサービスの励行等の接遇に関する講習の受講者が乗務する車両⑥ 世田谷区の一部地域については、首都高速の利用で適用される定額運賃より、一般道の利用で適用されるメーター運賃が安くなる場合があるため、運転者は旅客に対し、首都高速を利用するか、一般道を利用するかの確認を行う運用とする
参照 : 公益財団法人 東京タクシーセンター HP
上記の条文の中で重要なのは、国内線と同様①と②になります。
ここで特に見てほしいのが、①の「車両末尾番号による入構規制(第5優良タクシー乗り場を除く)」です。
国内線では、その日の「日付」と乗っている車両の「ナンバープレート末尾」の奇数・偶数が一致していないと入構できない ことになっていましたよね?
しかし、文末に『第5優良タクシー乗り場を除く』とあるように、国際線については その条件が適用されません 。
ナンバープレートの奇数 or 偶数に関係なく入構できる のが、国内線と国際線の最も大きな違いです。
最低でも『外国人旅客接遇研修』の受講が必須
先ほどの国内線・国際線共通の入構条件に加えて、国際線だけに適用される条件は次の項のようになります。
【運用方法】
①外国人旅客接遇英語検定合格者専用レーン(2レーン38台)
②外国人旅客接遇研修(英語)修了者専用レーン(おもてなしレーン)(3レーン57台)
※ 入構条件は英語研修中級以上修了者
※ JPNタクシーは一般車とともに「一般・UDレーン(おもてなしレーン)」に入構③ワゴン専用レーン(2レーン38台)
④ハイヤー専用レーン(1レーン19台)
【入構条件】
●現行の入構条件に加え、英語検定合格者専用レーンへの入構は「外国人旅客接遇英語検定合格証」を携帯し、ECD (English Certified Driver)認定章を車体に貼付すること。
●第3・第4タクシー待機所への入構は外国人旅客接遇研修修了証(英語・中級以上)を携帯し、入構表示板を掲出すること。
参照 : 公益財団法人 東京タクシーセンター HP
国内線の入構条件もそうでしたが、国際線もちょっとわかりづらい書き方ですよね(苦笑)
まずは、タクセンが用意している英語研修・検定には 2種類ある ことを覚えておいてください。
①外国人旅客接遇英語検定
②外国人旅客接遇研修
この2つの違いをわかりやすく説明すると、
①外国人旅客接遇英語検定が「上級」
②外国人旅客接遇研修が「中級」
といった感じです。
まずは、②外国人旅客接遇研修(=「中級」相当)について。
こちらは受講後の試験などは無く、半日の研修を受講すれさえすれば誰でも貰える “簡単な資格” と言って差し支えないでしょう。
羽田空港国際線乗り場に入構するには、「中級」にあたるこちらの ②外国人旅客接遇研修 を受講し、修了証を貰っているていることが最低条件となるんですね。
これは ③ワゴン専用レーン の該当車両にも同様に適用されます。
対して、①外国人旅客接遇英語検定(=「上級」相当)は、受講後に文字どおり「検定 = 試験」があります。
それに合格したドライバーには、『English Certified Driver』(通称『ECD』)の認定証が交付され、後ほど説明する「ECDレーン」に並ぶことができます。
①外国人旅客接遇英語検定は、②外国人旅客接遇研修試験の中級を修了したドライバーだけが受講・受験できる講座です。
また、①外国人旅客接遇英語検定ではロールプレイングにより英語力・接客力を試されるので、②外国人旅客接遇研修とは違い「誰でも取得できる資格」ではありません。
これが「外国人旅客接遇研修」との大きな違いですね。
「優良事業者」所属の乗務員であること
また、羽田空港国際線乗り場は「羽田空港国際線 優良 タクシー乗り場」と呼ばれています。
入構条件の①にも「第5優良タクシー乗り場を除く」という文言がありましたよね?
ということで、法人ドライバーであれば「法人タクシー事業者の安全・サービス等に関する評価制度」において「優良事業者」として認定された会社の車両しか国際線乗り場には入構できません。
都内の99.9%のタクシー会社が「優良事業者」に認定されているので、この点においては「ほとんどの法人ドライバーが羽田空港国際線乗り場への入構資格がある」とは言えそうですね。
入構条件のまとめ
改めて国際線乗り場への入構条件をまとめると、
●定額運賃導入事業者の車両
●「優良事業者」所属の乗務員であること
●『Hospitality Taxi』修了者ボード または 『English Certified Driver』認定証を持っていること
以上の3点となります。
最初に必ず「第4待機所」 へ入る!
それではここからは、入構方法と並び方の解説に移ります!
と、その前に羽田空港国際線ターミナルの位置を改めて確認しておきましょう。
上の画像からもわかるように、国際線(第3)ターミナルは、湾岸道路(国道357号線)に面している国内線(第1・第2)ターミナルから少し離れていますね。
そして、最も近い幹線道路が環八通りであることもわかります。
それでは、次は国際線ターミナルを拡大して見てみましょう。
こんな感じで、待機場が1つしかない国内線と違って、国際線ターミナルには 2つの待機場 がありますよね。
そこで、まず初めに覚えておいてほしいのが、羽田空港国際線(第3ターミナル)乗り場へ入構するには 2つの待機所を通らなければならない ということです。
順番は、最初に ①第4待機所 へ入構し、その後で ②第3待機所 へ移動する、という流れになります。
第4待機所への入構方法
まずは、最初に入る①第4待機所への入構方法と並び方です。
第4待機所には 指定された経路を通って入構しなければならない ので、下の画像を参照しながら読み進めてください。
① 環八通りの「環八第3ターミナル入口」交差点 を、蒲田方面から左折 ・湾岸道路方面からは右折 ※ して、第3ターミナル循環道路に入ります。
② 道なりに400mほど進むと、左手に「ヴィラフォンテーヌ プレミア 羽田空港」が見えてきます。
③ そのまま通過し、さらに150mほど進むと、正面に 東京モノレールの高架 が見えてきます。
④ 高架の40m先左側に 第4待機所の入口 があるので、左折して入構します。
※「環八第3ターミナル入口」から第3ターミナル循環道路に入る際は、蒲田方面から左折でのみ進入可能です。
湾岸道路方面から右折で進入しての入構はルール違反になるのでご注意ください!
初めて行くと、入口の位置がわかりづらいかもしれません。
そんなときは、路面標示の「国道357号」の「357」を目印に左折・入構しましょう。
また、第3ターミナルでお客様を降ろした後、そのまま循環道路を通って第4待機所に入構することも、経路的には可能ではあります。
ですが、第4待機所を目指して環八通りを走ってきた他のタクシーに「割り込む」形になってしまうので、一旦環八通りに出て上記のルートで入構しましょう。
入構後の並び方・待機のしかた
無事に入構できたので、次は並び方と待機方法ですね。
「一般車」と「ワゴン車」「ECD車」で並び方・待機のしかたが若干違うので、それぞれについて説明します。
【ワゴン・ECD】
① 待機所に入ったらUターンして、いちばん左のレーンに並びます。
その際、ワゴン車もECD車も順番に同じ列に並びます。
② 待機所最前列の左側に「第3待機所」を映すモニターがあるので、そちらを確認し自分の該当するレーン(次項を参照)に空きができたら第3待機所へ移動します。
【一般車】
① 待機所に入ったらUターンして、向かって左から2列目~7列目に左詰めで並びます。
② 待機所最前列の左側に「第3待機所」を映すモニターがあります。
最前列一番左端の車両(画像のオレンジ色 1)がモニターで第3待機所の一般車レーンに6台分の空きができたことを確認できたら出庫・移動します。
それに続いて、2列目以降の最前列車両(画像のオレンジ色 2~6)も移動します(合計6台)。
③ 最前列の6台が移動したら、後ろの車両は1列ずつ前進し、改めて待機します。
また、第3待機所の待機車両が少なく、第4待機所に待機車両が1台もいないこともあります。
そのような場合でも、第3待機所に直接入構するのではなく、 必ず第4待機所に入構し、第3待機所の空きを確認した上で 第3待機所に入りましょう。
次は「第3待機所」へ!
第3待機所への入構方法
第4待機所から第3待機所までは、約200mしかありません。
言うなれば「目と鼻の先」ですね。
こんな感じで、地図と距離だけを見ると「なんだ、簡単に入れそうじゃん♪」と思えますよね?
ですが!
実はちょっとした “トラップ” があるので、先にお伝えしておきます。
上の画像のように、第4待機所を出ると標識・標示の数ヵ所に「タクシー」の文字が見られますが、これらは全て “トラップ” です!
全部無視して200m先まで進み、右手に見えてくる ラバーポールの切れ目を右折 して入構してください。
↑「タクシープール」の路面標示の先にあるポールの切れ目が、第3待機所の入口となります。
第3待機所の並び方・待機方法
“トラップ” を無事にくぐり抜けて入構できたら、「最終関門」の第3待機所に到着です。
自分の番が来るまで、ゆっくり寛いでください!
第3待機所は、上の画像のように向かって右から、
●神奈川車(1列)
●一般車(3列)
●ワゴン車(2列)
●ECD車(2列)
●ハイヤー(1列)
という具合に待機列が決められています。
自分の該当する待機列に 右詰めで 並びましょう。
最前列2列がいなくなったら前進!
国内線の待機所(第1待機所)と違い、第3待機所にはタクセンの管制塔がありません。
ですので、電光掲示板や音声による指示・誘導は無く、他車の動きを見て前進していくことになります。
(基本的には、自分の目の前にいる車両と同じように移動すればOKです!)
国内線と同じように 最前列2列がいなくなったら全体が2列ずつ前進していき 、自分が最前列になるまで待つ、という動き方になります。
タクセンの職員? 個タクさん? が合図をくれます
何度か前進を繰り返して、いよいよ最前2列まで到達できました。
ここまで来ると、乗り場までもう少し!
焦らずゆったりと自分の順番が来るのを待ちましょう。
さて、第3待機所の最前列まで来ると、目の前に乗り場への出庫を(「◯」「✕」で)指示する電光掲示板が見えてきます。
こちらは一応作動しているのですが、あまり当てになりません。
「神奈川車レーン」と「一般車レーン」の右から2列目くらいまでは100m先の乗り場の様子が見えるので、↑この電光掲示板が無くてもさほど影響はありません。
しかし、それより左側の「ワゴン車レーン」や「ECDレーン」に待機しているドライバーには乗り場の様子が見えないので、出庫のタイミングがわかりづらかったりするようです。
そんなときに頼りになるのが、タクセンの職員? 善意の個タクさん? です!
上の画像のように、待機所の右前方で乗り場の様子を確認し、待機中の車両に合図を送ってくれるんですね。
毎回違う人で服装もばらばらなので、この方が何者なのかは僕も未だにわからないのですが(笑)、スムーズな配車にとても役立っている存在です。
東京車は22番乗り場へ!
国際線(第3)ターミナルのタクシー乗り場は、前項でも書いたように第3待機所の目の前にがあります。
一番前が神奈川車(21番ポスト)で、その手前の22番ポストが東京車の待機位置です。
こちらには5台待機していますので、前から順番にお客様を乗せていきましょう。
※ ここにも案内係がいますが、こちらはタクセンの職員です。
お客様を乗せたら、いよいよ出走です!
国際線も「定額運賃」の対象です!
初めに入構条件を確認した際にも書きましたが、空港から出発する運行は基本的に 定額運賃の対象 となります。
これは国内線・国際線ともに適用されるルールです。
国内線乗り場の記事でも書きましたが、定額運賃適用エリアと金額について改めて確認しておきましょう。
23区+武蔵野市・三鷹市の25市区のうち、定額運賃の対象とならない のは、
- 中央区
- 港区
- 江東区
- 品川区
- 目黒区
- 大田区
の、空港のある大田区に隣接・近接している6区のみ。
上記6区が目的地の場合はメーターに表示された運賃でOKですが、それ以外の市区が目的地の場合は 定額運賃が適用されます!
また、羽田空港発着の定額運賃は、以下の一覧表のとおりです。
定額運賃表 | ||||
市区名 | 定額運賃 | 障割適用時 | 青タン時 | 障割+青タン |
足立区 | ¥ 10,200 | ¥ 9,100 | ¥ 12,000 | ¥ 10,800 |
荒川区 | ¥ 9,500 | ¥ 8,500 | ¥ 11,200 | ¥ 10,000 |
板橋区 | ¥ 11,300 | ¥ 10,100 | ¥ 13,400 | ¥ 12,000 |
江戸川区 | ¥ 8,200 | ¥ 7,300 | ¥ 9,700 | ¥ 8,700 |
葛飾区 | ¥ 10,400 | ¥ 9,300 | ¥ 12,300 | ¥ 11,000 |
北区 | ¥ 10,100 | ¥ 9,000 | ¥ 11,900 | ¥ 10,700 |
渋谷区 | ¥ 7,800 | ¥ 7,000 | ¥ 9,200 | ¥ 8,200 |
新宿区 | ¥ 8,300 | ¥ 7,400 | ¥ 9,800 | ¥ 8,800 |
杉並区 | ¥ 9,900 | ¥ 8,900 | ¥ 11,700 | ¥ 10,500 |
墨田区 | ¥ 8,400 | ¥ 7,500 | ¥ 9,900 | ¥ 8,900 |
世田谷区 | ¥ 8,100 | ¥ 7,200 | ¥ 9,600 | ¥ 8,600 |
台東区 | ¥ 8,400 | ¥ 7,500 | ¥ 9,900 | ¥ 8,900 |
千代田区 | ¥ 6,900 | ¥ 6,200 | ¥ 8,300 | ¥ 7,400 |
豊島区 | ¥ 10,200 | ¥ 9,100 | ¥ 12,100 | ¥ 10,800 |
中野区 | ¥ 9,100 | ¥ 8,100 | ¥ 10,800 | ¥ 9,700 |
練馬区 | ¥ 11,700 | ¥ 10,500 | ¥ 13,800 | ¥ 12,400 |
文京区 | ¥ 8,600 | ¥ 7,700 | ¥ 10,000 | ¥ 9,000 |
三鷹市 | ¥ 12,200 | ¥ 10,900 | ¥ 14,400 | ¥ 12,900 |
武蔵野市 | ¥ 12,800 | ¥ 11,500 | ¥ 15,200 | ¥ 13,600 |
※市区は五十音順
改定後の新運賃に修正済(2022年11月)
定額運賃の適用は 首都高を利用する ことが前提となっています。
ですので、上記19市区が目的地だった場合は、お客様に定額運賃の適用エリアである旨を伝えた上で、首都高の利用を提案しましょう。
(都心方面が目的地の場合、多くは環八通りから「空港西」入口 で首都高に乗るのが基本です!)
また、定額運賃には高速代が含まれないので、お客様からいただく代金は 定額運賃 + 高速代 であることもお忘れなく!
【まとめ】羽田空港国際線の入構方法・並び方
本日は、羽田空港国際線タクシー乗り場への入構方法・並び方を解説しました。
最後に箇条書きにして、簡単にまとめますね。
- 最低でも『Hospitality Taxi』修了を持っていること
- (法人の場合)「優良事業者」所属のドライバーであること
- 初めに必ず 第4待機所 に入構し、その後で 第3待機所 に入構する
- 第4は左から、第3は右から 順番に並ぶ
- 第4も第3も入口がわかりづらいので注意!
- 国際線も大半の市区は 定額運賃 が適用される
今までは空港までお客様を送って来れたはいいけど、「今日は奇数・偶数が合わないから国内線には並べないな」と空車で都心に戻っていたドライバーさんもいたことでしょう。
(数ヵ月前までの僕もそうでした 笑)
しかし!
何回か並んでみると「国内線乗り場より簡単じゃない?」と感じられるはずです。
国際線乗り場が気になっていたけどまだ未経験のドライバーさんも、この記事を参考にぜひチャレンジしてみてください!
皆さんの成果報告、お待ちしていますー♪
タクオ 公式LINE
●ブログでは書けないタクシードライバーのリアルをお伝えします
●タクドラ転職希望の方の疑問・不安を解決! 1対1でやりとり可能!
●タクオのオリジナル営業ノウハウを配布(するかも?)
●現役ドライバーの方の情報交換にも活用されています
●副業やスモールビジネスに関する情報を不定期配信
●経営に失敗した社長が再び立ち上がるための情報も配信中
●登録すると基本的にラッキーなことしか起きないようになっています
今日は何位?
タクオのランキングを確認する
↓ ↓ ↓ ↓ ↓