こんにちは、タクオです。
日本で初めてタクシー配車アプリが誕生したのが10年余り前。
今では多くの利用者さんに愛用していただいているだけではなく、我々タクシードライバーにとっても売上アップのための重要なツールとなっています。
ユーザーさん・ドライバーさんのどちらにとっても「ありがたい存在」、それがタクシーアプリなんですね。
そんな配車アプリですが、東京都内では、
GO(ゴー)
S.RIDE(エスライド)
Uber(ウーバー)
DiDi(ディディ)
の4つが「主力」となっています。
中でも “国産” ということもあり、導入している会社が多いのが『GO』と『S.RIDE』の2つ。
そこで本日は、この「2大国産アプリ」の両方にお世話になったことのあるタクオが、乗務員目線でそれぞれを比較して長所・短所を挙げていこうと思います。
僕の主観的な意見が多くなりますが、配車件数 や 平均単価 といった実際の営業実績を基に具体的な数字も比較しています。
転職や移籍を検討している方にとっても参考になる内容となっているので、ぜひご一読ください!
目次
まずは客観的なデータから
僕がタクシードライバーになって3年が経ちました。
その間『S.RIDE』に約2年、2ヵ月前からは『GO』のお世話になって今に至ります。
そんな僕の見解を書き連ねる前に、まずは「客観的な数字」を見てみましょう。
とは言っても、各アプリ会社ともにを詳細に公表していない数値(ユーザー登録者数、配車件数など)が多いので、推測によるものも多くなっています。
あらかじめご了承ください!
提携台数
GO … 約15,500台
S.RIDE … 約9,500台
※ いずれも特別区・武三地区の数値
加盟会社・組合の多さが提携台数にも表れているようですね。
2023年5月時点においては、『GO』の台数が『S.RIDE』より約1.6倍多くなっています。
また、2022年後半から2023年初頭にかけて、『S.RIDE』を採用しているチェッカー無線の加盟会社が大量脱退し大手のグループに加入する「鞍替え」が相次いだことも、2アプリ間の格差拡大に影響した可能性があります。
ダウンロード数
GO … 1,000万(2022年9月)
S.RIDE … 150万(2023年2月)
こちらは『PR TIMES』による 『GO』に関するこちらの記事 と S.RIDE株式会社の公表 を基にした数字となっています。
DL数は、テレビや新聞・雑誌など様々なメディアで積極的に宣伝していた『GO』の圧勝ですね。
この数字は東京以外のエリアも含めた全国の数字と思われますが、23区においても同じくらいの開きがあるではないでしょうか?
年間配車件数
GO … 1,057万件(2022年)
S.RIDE … 492万件(2022年)
※ いずれも特別区・武三地区の推定数値
配車件数についても、両アプリとも運営会社による具体的な数字の公表がありませんでした。
そのため、(株)ICT総研による 「2021年 タクシー配車アプリ利用動向に関する調査」 と、(一社)東京ハイヤー・タクシー協会発行の 東京のタクシー2022 と、(一社)全国ハイヤー・タクシー連合会による 全国の事業者数及び車両数の推移 を基に独自に算出した数値となります。
この数字上では、 『GO』の配車件数が『S.RIDE』の2倍 ということになりますね。
1台あたりの件数にすると、『GO』は682件/年、『S.RIDE』は518件/年ということになりますが、僕自身の感覚では「実際はもっと大きな差があるのでは?」という感じです。
『GO』はもっと多いだろうし、『S.RIDE』はもうちょい少ないのでは?
そんな印象です。
(両アプリの運営会社から詳細な数字が公表されていないので、推測するしかないのが現状です。)
DL数が10倍近く違うのに、配車件数が2倍前後しか違わないというのは、明らかに正確な数字を表していないですよね(苦笑)
時間を作って改めてもう少し精度の高い推測をしてみます!
ここからは僕の実績 & 主観です!
「客観的な数値」を比較した結果は、提携台数、ダウンロード数、配車件数のいずれの数値も『GO』が優勢でした。
しかし、だからと言って「『GO』が最強アプリで『S.RIDE』は優れている点がまったく無い」と言えるのでしょうか?
両アプリを利用したことのある僕からすると、決してそんなことはありません!
『GO』にはGOの良い点がありますし、『S.RIDE』にはS.RIDEの良い点があります!!
では、どんな点が違うのか?
ここからは両方のアプリを実際に使ったことのある僕が実績と個人的感想を基に、乗務員目線で見た両アプリの違いを 野球のスコア に例えて述べていきます。
なお、比較する材料として、『GO』は2023年4月度(3月20日~4月18日)、『S.RIDE』は2023年1月度(12月19日~1月18日)の実績を採用しました。
それぞれ「年度末から新年度の初め」、「年末から新年の初め」というタクシーの繁忙期に当たるので、似たような条件・環境になります。
『GO』と『S.RIDE』の配車実績
出番数 ※全て昼日勤 |
配車件数 | 運賃 (迎車料を除く) |
実車距離 | ¥3,000以上 | |
(2022年12月19日~2023年1月18日) | 19 /月 |
53 本/月 | ¥ 118,300 /月 | 240.3 km /月 | 10 本/月 |
2.79 本/日 | ¥ 2232.1 /本 | 4.53 km/本 | 18.87 % | ||
(2023年3月20日~4月18日) | 22 /月 |
184 本/月 | ¥ 435,140 /月 | 890.3 km /月 | 47 本/月 |
8.36 本/日 | ¥ 2,364.9 /本 | 4.84 km/本 | 25.54 % |
前項の「客観的な数字」と同じような感じになりましたね。
これに加えて、数値では見えない・表れない部分も詳しく解説していきます。
配車件数
GO 17 – 5 S.RIDE
(5回コールド)
これは『GO』の圧勝ですね。
数値を見るまでもなく、僕も「『GO』はよく鳴るなぁ~」と感心している今日この頃です(笑)
とはいえ、『S.RIDE』も最近は頑張っているような感じがありました。
1年前は2~3出番に1回鳴ればよかったのが、行灯が変わる =『GO』に変更になる直前は、1出番に1回は鳴るようになっていましたからね。
1出番あたりの平均件数は、『GO』が8.36本、『S.RIDE』が2.79本。
実に約3倍の差です!
平均単価
GO 3x – 2 S.RIDE
(9回サヨナラ)
1本あたりの単価が、『GO』は約2,365円、『S.RIDE』は2,232円。
僕の実績を見てみても、大きな差異はないですよね?
感覚的にも両アプリ間での差は、ほぼほぼ無いように感じます。
ただ、東京のタクシードライバーが「中距離(ミドル)」と捉える運賃3,000円以上のお客様に関しては、『GO』が25%、『S.RIDE』が20%弱。
この点を勘案すると、『GO』のギリギリ勝利と言えそうですね。
とはいえ、多くのユーザーに認知 & 利用されているが故に、『GO』は低単価の運行が多いのも実情です。
ですので、平均単価に関しては両アプリは「ほぼ同格」だと考えています。
客層・客質
GO 7 – 5 S.RIDE
お客様の「質」についても、大きな違いはないように感じますね。
ただ、『GO』は現着(迎車地に到着すること)から5分経ってもお客様が現れなかったらキャンセルできるのに対して、『S.RIDE』は現着後10分経たないとキャンセルできない = 10分も待たされることがちょいちょいありました。
その点において(お客様に起因する理由ではないのですが)『GO』の勝利とさせてもらいました。
また、配車時に(当然迎車地は両アプリとも表示されますが)目的地まで入力されているのが多いのは『GO』のほう。
約半数が迎車地・目的地の両方が判明していてスムーズに発進できる『GO』に対して、『S.RIDE』は初めから目的地がわかっているのが1/4~1/5しかなかった、という印象です。
細かいことではありますが、事前に目的地がわかっているほうが乗務員的にやりやすいというのは、想像に難くないですよね。
加えて、配車成立後のキャンセル率はどちらも同じ割合ですが、先ほども述べたように『S.RIDE』に関しては 現着から10分経過→お客様不在でキャンセル というパターンが多かった気がします。
『GO』も現着→5分経ってもお客様が現れなくてキャンセルというのはありますが、『S.RIDE』のほうが割合的に多かったですね。
(もしかしたら現着後の所定待機時間が違うので、それが原因で『S.RIDE』の悪質なキャンセル率が高いように感じているだけもしれませんが 笑)
前項の平均単価も含めて、“良いお客様” と “それ以外のお客様” の割合に大きな差異は無い、と言って良いでしょう。
ナビの使いやすさ
S.RIDE 11 – 1 GO
(7回コールド)
ここからは配車アプリとしての本来の目的・機能以外の部分になります。
タクシーアプリにはカーナビ機能も搭載されているのですが、アプリ配車時以外も最適な経路を選ぶためにとても重宝しています。
ドライバーの目の前にある10インチ前後のタブレットは、アプリ配車を知らせてくれるだけのものではないんですね。
で、です!
そのカーナビとしての使いやすさや機能性については…
これはもう『S.RIDE』の圧勝 です!
『S.RIDE』は、
●鉄道駅の出入口がとても詳しく表示される
→ 地下鉄駅の出口は選びきれないほど選択肢がある
●(目印となる)商業施設の表示が多彩
→ コンビニ、ガソリンスタンド、スーパー、銀行、ファストフード店、電器店 etc.
●渋滞情報が見やすい & 正確
→ 実車時・空車時に関わらず渋滞に突っ込まずに済む!
中でも僕的にいちばんありがたかったのが、自分のスマホのようにフリーワード検索ができる こと!
『GO』もフリーワード検索はできるのですが、まぁ使えるものではないですね(笑)
目的地を「町名」と「番地」で指定するお客様って結構多いんですが、『S.RIDE』はスマホ並みに検索候補・予測が表示されるので、とても使いやすかったです。
例えば、「霞が関1の1の1」に行きたいとき。
『S.RIDE』は、検索窓に「かすみが」と入力すると「霞が関」が検索候補に表示され、その後で「1-1-1」と入力すると即座に該当の場所を表示してくれます。
対して『GO』で住所検索するときは、同じ「霞が関1-1-1」を検索するにしても、
47都道府県から「東京都」を選択
↓
50音順の「ち」から「千代田区」を選択
↓
50音順の「か」から「霞が関」を選択
↓
丁目を選択
↓
番地・号を入力
と、2000年代初頭のカーナビみたいな手順を踏まないと正しい目的地が表示されません (苦笑)
(フリーワード検索ができなくはないのですが、精度が低くてともて使えるものではない 汗)
急ぎのお客様が乗車したときなどのスピーディーな対応は、圧倒的に『S.RIDE』のほうが有利です。
(サーバー等の)安定感
S.RIDE 122 – 0 GO
(5回コールド)
これに関しては『S.RIDE』の 球史に残る完全圧勝 です。
僕が “GOの人” になったのが2023年3月ですが、その後のたった1ヵ月間で 2回もサーバーダウン がありました!
(しかも2回ともタクシー需要が多い夕方に 苦笑)
アプリ配車が鳴らない・取れないのは、まったく構いません。
しかし、交通系IC、クレジットカード、QR決済といった現金以外の支払いに対応できないというのは、短時間のエラーだとしても2020年代の現在においては 売上に直結する重大な事態 なんです。
(最近では現金決済のお客様は半数以下ですからね!)
いずれもお客様の多い時間帯にエラーが起こったので、場合によっては 「(国交省など)管轄官庁から指導や処分があってもおかしくない事案では?」と、個人的には思いました。
『GO』ではその以外にもありましたよ。
サーバーは大丈夫でも、エンジンを切ると客席側端末との連携が勝手に切れるだとか、タブレットが勝手に再起動されて(実車中だというのに)ナビが使えなくなるとか…
ユーザー側のユーザビリティに大きな違いが有るのか・無いのかはわかりませんが、乗務員側のユーザビリティについて比較するのであれば、『S.RIDE』の圧勝ですね。
断言します!
【結論】国産アプリ対決は『GO』に軍配!
本日は2大国産タクシーアプリを様々な角度から比較してみました。
それぞれに長所・短所があるので、「こっちのアプリが最強ですよ!」とは断定できなのですが…
売上が給料に直結するタクシードライバーとしては、『GO』に軍配を上げざるを得ません!
僕自身も “GOの人” になったことで売上が上がったと実感していますから、尚さらです(笑)
サーバーがク●だったり、(乗務員的に)ユーザビリティに著しく劣るとしても、『GO』から受けている恩恵は大きいので、その点において「優れていると言うほかない」というのが率直なところです。
特に「行った先営業」を信条としている僕にとっては、郊外でも鳴る『GO』はありがたい存在だと言えるんですよね。
『S.RIDE』時代は “都心の外側” に飛ばされた後は、主戦場である都心に「実車で戻るぞ!」と頭をフル回転させていたのが、『GO』に変わってからはすんなりと戻れることが多くなりましたから。
とはいえ、繰り返しになりますが「『S.RIDE』が劣っている」ということはないですよ!
アプリに頼らなくても売上は十分作れますし、繁忙期やピークタイムなんかはアプリを取ることで逆に効率が下がっちゃうことがありますからね。
この記事が新たにタクシードライバーになる方や、現役タクシードライバーさんの移籍の際の参考になれば、僕もうれしい限りです!
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