タクシーメーターの入れ忘れ（実車ボタンの押し忘れ）はどうなるの？【乗務24日目】

こんにちは、タクオです。

これまでの20回以上の乗務の中でちょいちょいミスをしてきた僕ですが、昨日は新人ドライバーが「やりがち」なミスを犯してしまうところでした。

料金メーターの入れ忘れ です。

この料金メーターの入れ忘れ、実は思っている以上に とても重大なミス なんです！

今日はメーターの入れ忘れで起きる3つの「罪」について説明します。

実車ボタンの押し忘れは誰でもある？

横浜矢崎サービス株式会社のHP より

言うまでもありませんが、日本中すべてのタクシーには料金メーターが備え付けられています。

我々タクシードライバーにすればメーターが無いと仕事になりませんし、お客さんもメーターが付いていないタクシーなんか不安で乗りたくもありませんよね(笑)

乗務員にとってもお客さんにとっても「必要不可欠」なタクシーメーターですが、それを操作できるのはタクシー運転手のみ。

ですので、いくらメーターが都道府県の機関で検査が行われているとはいえ、乗務員の「さじ加減」で運賃が微妙に変わってくる部分もあるのではないでしょうか。

（信号が青に変わるまでメーターを入れない、Uターンしてからメーターを入れるという乗務員は多いはず）

しかし、乗務員が「おまけ」しようとしたわけでもないのに、お客さんにとって運賃がお得になる場合もあります。

実車ボタンの押し忘れ です。

僕は今まで一度もありませんが、「実車ボタンを押し忘れて初乗り料金しか請求できなかった」という失敗談を話してくれた同僚もいます。

そんな同僚の話を聞いて、僕は「そんなこと、そうそうあるものでもないだろう」と他人事のように考えていたのですが…

危うく忘れるところだった

「俺は大丈夫♪」と思っていた実車ボタンの押し忘れですが、実は 僕も昨日やってしまうところでした。

夕方前のこと。

銀座の端っこ・数寄屋橋の交差点を日比谷方面から東京駅方面へ左折したところ、60代くらいの男性が手を挙げていました。

停車して後部ドアを開けると、男性は乗り込むと同時に目的地と経路をわかりやすく説明してくれたので、スムーズに発進できた僕のタクシー。

いつもならそこですかさず実車ボタンを押すのですが、男性が間髪入れず世間話を始めたので、メーターのことを忘れてしまったんですね。

信号2個分も進まないうちに気づいたのでどうにか「未遂」で済ませることができましたが、帰庫後に会社の人にこのことを話すと、3つの「罪」になりかねないことがわかりました。

メーターの入れ忘れで犯す「罪」とは？

窃盗罪・業務上横領罪

1つ目は、会社が受け取れたであろう金銭を乗務員が横領したことになるので、窃盗罪 や 業務上横領罪 が適用されるということ。

窃盗罪も業務上横領罪も「親告罪」なので、会社が訴えない限り刑事処分を受けることはありません。

しかし、メーターを入れずにお客さんを乗せて走り、お客さんから預かった運賃を自分の懐に入れたことが会社に発覚した場合、告訴はされなくても解雇される可能性は高いでしょう。

メーターを入れずにお客さんを乗せて走ることを業界用語で「煙突行為（エントツ）」と言いますが、会社もそれだけ「エントツ」に対して神経を尖らせているということですね。

（まぁ当然ですよね。）

ウチの会社でも、過去に「エントツ」が会社にバレて解雇になった人が実際にいたそうです。

不当運賃収受

2つ目は、不当運賃収受 という 道路運送法上の違反 です。

この不当運賃収受は 行政処分 の対象となる事案で、タクシー乗務員としての登録を取り消さることになってしまいます。

国土交通省の資料 より

初めての違反で20日、2回目は60日もの長い期間登録を取り消されることから、不当運賃収受は結構重大な「罪」に当たると言えそうです。

不注意だったとしても行政処分を免れることはできないこの不当運賃収受。

メーターの入れ忘れには、これからも最大限の注意を払わなければいけませんね。

乗車拒否

3つ目は、助手席前の表示版（「スーパーサイン」と言います）が「空車」の状態なのにお客さんを乗せないという 乗車拒否 を犯してしまうこと。

昨日の僕は幸いにもすぐに気づけたので「空車中」に手を挙げられることはなく、3つ目の「罪」は免れました。

しかし、「空車」の状態のときはどんな理由があろうとお客さんを乗せなければいけないですし、銀座・有楽町という人の多い街にいたことを考えると、乗車拒否を犯す危険性は十分にあったわけです。

先ほどの図にもありましたが、乗車拒否も道路運送法上の違反に当たり、行政処分の対象 となります。

そのことを考えると、メーターの入れ忘れは例え不注意だったとしても、やっぱり重大な「過失」になるんですね。

こうして改めて調べてみると、「エントツ」やメーターの入れ忘れに対してタクシー会社が神経を尖らせている理由がよくわかりました。

これからも本当に気をつけなければです。

ちなみに、「エントツ」が発覚するきっかけは、タクシーセンター（タクセン）の監視員に見つかってバレるケースが多いとのこと。

交通違反を取り締まる警察官の他にも、東京のタクシードライバーにはもう1種類の「天敵」がいるというわけですね(苦笑)

【乗務24日目の結果】

2020年6月24日(水)　曇/晴→雨 27℃/21℃

※ 青字は青タン（深夜2割増） 太字は高速
　 乗車地に括弧がある場合は付け待ち

営業回数 28回
営収
 税込 45,490円
 税抜 41,350円
走行距離 260km
実車率 38.27%
運転時間 10時間16分
チップ 630円

青タン前までに約3万円には届いていたので、「ひとまず5万円は固いだろう」と思っていたのですが、青タン以降に大失速。

「困ったときの歌舞伎町」へ出向いてみたものの、昨晩は空車のタクシーばかりが目に付き、しかも区役所通りがいつにも増しての大渋滞。

六本木や西麻布へ移ろうとも考えましたが、昨日はその気力もなく(苦笑)タイムオーバー。

今月に入ってから夜もそれなりに稼げていたので、昨晩の低調ぶりには自分でもがっかりでしたね。

次の乗務は明日の金曜日。

夜に期待しているのですが、昨日の様子を見ると少し不安もありますね。

まぁ、給料日の金曜だから大丈夫でしょう♪

 

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