タクシー車内での犯罪は割に合わなすぎる【乗務20日目】

こんにちは、タクオです。

タクシーは、言ってみれば「移動する個室」。

街の雑踏や他の人たちから隔離された車内は、「ちょっとだけ特別な空間」と言えるかもしれませんね。

それ故に、尊大な態度や行為に及んでしまう方がいることも事実です。

乗客の行為によって乗務員が不快な思いをするくらいで済めばかわいいものですが、「犯罪」にまで発展してしまっては見過ごすことができなくなってしまいます。

今日は僕の同僚が「犯罪の一歩手前」の被害に遭った話です。

生々しい写真とともに

前日の雨の影響か、昨日の東京は蒸し暑い朝でした。

じんわりと汗ばみながら車両点検を終えると、いつものように点呼室で出庫前の朝礼が始まります。

朝礼では運行管理者から何かしらの連絡事項・注意事項が伝えられるのですが、昨日は珍しくストウ課長が運行管理者に代わって話しはじめました。

ストウ課長

一昨日タガワくんがトラブルに遭ったので、みなさんにも共有しておきます

二種免許の教習や乗務前の研修をいっしょに受けた、僕の「同期」のタガワくん。

朝一番に顔を合わせたときには変わった様子も無かったのですが、何があったんでしょうか!?

ストウ課長の話によると、一昨日の昼過ぎ、歌舞伎町で一人の若い男性を乗せたタガワくん。

目的地を聞くと「新宿三丁目駅まで」とすぐ近くでしたが、念のためルートを確認しようとしたそうです。

タガワくん

ご希望のコースはございますか？

と尋ねるタガワくんに対し、若い男性客は、

若い男性客

いいから行けよ

と、初めから「普通ではない」様子だったとのこと。

歌舞伎町から新宿三丁目駅まではワンメーターで着くくらいの距離なので、運行自体は数分で終了します。

タガワくんはその間もお客さんに道順を聞きながら走っていたそうですが、大変だったのは到着した後で、男性客が、

若い男性客

入口が違うんだよ！

と、突然キレはじめたそうです。

その後もタガワくんにいろいろ「言いがかり」をつけていた男性客でしたが、とうとう 助手席側に身を乗り出して タガワくんの 胸ぐらを掴みはじます。

若い男性客

クレームだ！

てめぇの会社に今すぐ電話しろ

という男性客に従い、タガワくんが会社に電話を入れたことでトラブルもひとまずは収まったとのこと。

ストウ課長いわく、車内カメラの映像を確認したところ、タガワくんには一切落ち度はないので、今回は単に「ヘンな人に絡まれただけ」ということで落ち着いたそうです。

朝礼ではそのときの様子が映った防犯カメラの映像を写真で見ましたが、男性客が 助手席や防犯板から身を乗り出している 姿が生々しく写っており、軽い恐怖を覚えるほどでした。

しかし、当のタガワくんは落ち着いたもので、

タガワくん

このお客さん、乗ったときからロレツが回ってなかったんですよ

酒を飲んでると言うより、ク●リをやってる感じでしたね

と冷静に分析していました(笑)

けど、「自分のこと」と思うとやっぱり怖くなりますよね。

年間100件近く起きているタクシー強盗

今回タガワくんが遭った「被害」は、警察のお世話になるまでには至りませんでしたが、「暴行罪」が十分成立する事案です。

タクシー運転手が被害を受けた「暴行罪」の件数までは調べられませんでしたが、一般社団法人「全国ハイヤー・タクシー連合会」の発表では、「タクシー強盗」は全国で毎年100件近く起きているようです。

しかし、検挙率は年々向上していて、直近では 90％を超えている とのこと。

一般社団法人 全国ハイヤー・タクシー連合会HP より

100件の半数にあたる約50件は東京で起きているそうですが、車内カメラがほぼ全車に搭載されている東京の場合、検挙率は90％よりさらに高い数字になると考えられます。

それでなくても、クレジットカードや電子マネーでの支払いが多い最近では、タクシーの運転手は多額の現金を持ち合わせていません。

（どんなに多い人でも、10万円持っていれば良いほうです。）

実際に、東京で起きたタクシー強盗の被害金額は、1件あたりの平均が8,000円前後だとのこと。

たったそれだけの金額でその後の人生や生活を台無しにしてしまうのは、あまりにも「コストパフォーマンス」が悪すぎますよね？

東京ハイヤー・タクシー交通共済協同組合の資料 より

タガワくんの件は「強盗」ほど重大ではない「暴行」事案でしたが、点呼の際に見せてもらった写真だけでも個人が特定できそうですし、カメラには顔に加えて音声まで記録されるので、映像がネットやマスメディアで公開されれば簡単に犯人は見つかるでしょう。

今回は会社もタガワくんも被害届は出さないようなので、これ以上の「大事」にはならなそうですが、防犯カメラですべて記録されているタクシーで「強盗」「暴行」「乗り逃げ」といった犯罪を起こすことは、リスクしか無い と言えそうです。

逆の立場で言えば、防犯カメラやGPSのおかげでタクシー運転手は安心して仕事ができるということですね。

車内カメラの映像は事故やクレームの際の「証拠」にもなってしまうわけですが(笑)、「乗務員を守ってくれている」のですから、とてもありがいたいアイテムですよね。

基本的には「良い人」しかいない東京のタクシーのお客さんですが、タガワくんの経験を共有してもらったことで改めて気持ちが引き締まった昨日でした。

あっ、そういえば僕も「軽い暴行」の被害に遭ったことがあったんでした(笑)

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こんな感じで背もたれを蹴られたことがあります【乗務6日目】

【乗務20日目の結果】

2020年6月12日(金)　晴/曇→雨 30℃/22℃

※ 青字は青タン（深夜2割増） 太字は高速
　 乗車地に括弧がある場合は付け待ち

営業回数 30回
営収
 税込 56,880円
 税抜 51,710円
走行距離 284km
実車率 44.59%
運転時間 10時間47分
チップ 220円

夕方前まではまったく奮わず、回数も営収も今までで最低レベルの低調ぶり…

「うわぁ、ヤバいな」という焦りとともに迎えた夜でしたが、さすがは金曜ですね。

18時過ぎから一気に巻き返し、最終的には自己記録の更新もできました！

ちょうど青タンに入った時間帯に雨が降り出したこともあって、昨日の夜は「どこの街に行っても乗せられる」という感じでしたね。

それだけに、昼間の不調が悔やまれてなりません。

「100万円プレーヤー」への道は、なかなか険しいです(苦笑)

 

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