【入社28日目】添乗指導で初ジャパンタクシー

 

 

こんにちは、タクオです。

 

座学研修がすべて終わり、今日から添乗研修。

実際に営業しながら、いよいよ東京の街へとくり出します。

 

とは言っても、添乗研修ですので、先輩ドライバーにいっしょに乗ってもらいながらの営業ですけどね♪

独り立ち前の「見習い乗務員」ではありますが、実際にお客さんを乗せることもできました。

 

タクシー運転手の定番・隔日勤務も今日からスタートです。

 

 

 

タクシー運転手がタクシーに乗って通勤

いよいよタクシー乗務員として街に出る日がやってきました!

いろいろな経験を踏んで「図太さ」だけには自信のある僕ですが(笑)、さすがに昨日の夜は緊張で寝付きが悪かったですね。

朝も目覚ましより早く目が覚めてしまい、少し寝不足気味での「仮デビュー」となりました。

 

家からY社までは自転車で通っているので、今朝もいつものように自転車に乗ろうとしたら、後輪がパンクしているではありませんか!

自転車だと間に合うけど、歩いて行ったら絶対間に合わない…

うわぁ、どうしよう………

 

タクシー業界にちょこっと貢献できました(笑)

 

急いでいるなら、やっぱりタクシーでしょ!

ということで、タクシー乗務員が他社のタクシーに乗って通勤しました(笑)

 

たった1km・5分の乗車でしたが、その間も情報収集は怠りません(笑)

運転手さんに(同業者であることを白状した上で)コロナウィルスの影響を聞いてみると、

 

運転手さん
1月までは月70万円の営収は簡単に稼げたけど、3月は30万円にも届きませんでしたよ

今月はもっと低いでしょうね

 

昼日勤(朝から夕方までの乗務)オンリーという運転手さんでしたが、やっぱり緊急事態宣言が発令されてからは目に見えて数字が下がっていると話していました。

まぁ、影響を受けていないタクシー運転手さんなんて、いるはずないですよね。

僕も先輩に同乗してもらうとはいえ、「仮デビュー」の今日一日でいくらの売上げを立てられるんでしょうか!?

 

 

 

指導員はドライバー歴16年のベテラン運転手

点呼時間前に無事出社できた後は、ホッとする間もなくすぐに出庫の準備が始まります。

僕の指導をしてくれるのは、オノヅカさん。

70歳の「おじいちゃん」ですが、60代半ばに見える、僕のおふくろと変わらない年齢のベテランさんです。

 

オノヅカさんはY社に入って5年ですが、その前に準大手のH社で11年間タクシーに乗っていて、ドライバー歴は16年にもなるそうです。

重厚感のある声やゆったりとした語り口が喪黒福造に少し似ていて(オノヅカさん、ごめんなさい!)、それでいて本物の喪黒福造のようにダークな雰囲気は一切ないので(当たり前かw)、とても話しやすい空気を持っています。

 

オノヅカさん(70歳)
タクオくんもタバコ吸うんですか?

じゃあ車両点検は1本吸い終わってから始めましょうか

 

オノヅカさんの柔らかい雰囲気のおかげで、僕の緊張も解けていきます。

 

点検や点呼を終えると、オノヅカさんとタバコをもう1本吸って出庫。

まずはオノヅカさんがハンドルを握り、朝の東京へと走り出しました。

 

 

 

初めての『ジャパンタクシー』!

『ジャパンタクシー』のカタログより

僕たちが今日乗る車両は、オノヅカさんがいつも乗っている『JPN TAXI(ジャパンタクシー)』。

研修の間は(ボロい)セダン型の車両にしか乗れなかったので、僕にとっては初めての『ジャパン』です。

 

途中から運転させてもらいましたが、操作性の良い車両ですね。

LPガスのハイブリッド車を運転したことがなかったので、以前から「乗り味」が気になっていましたが、なんのストレスもありません。

 

一つだけ気になったのは、フェンダーミラーの画角が狭いこと。

一般的な乗用車のドアミラーより左右後方の確認できる範囲が狭いので、車線変更がしづらい印象でした。

担当車が『ジャパン』になったら、補助ミラーなどを付けたほうがいいかもしれないですね。

 

 

 

オノヅカさん「大手や準大手よりも仕事がしやすいんだよね」

コロナウィルスと緊急事態宣言の影響で、今月に入って乗客が激減している東京のタクシー。

今日も同じで、クルマは走っているけど歩行者はいつもの半分もいない感じです。

そんな状況なので、オノヅカさんとたくさん話すことができました(笑)

 

先ほども書いたように、中小タクシー会社のY社に入る前は、東京の準大手タクシー会社・H社で10年以上運転手をしていたオノヅカさん。

準大手と中小でドライバーをやってきていちばん痛感しているのは、大手・準大手は締め付けが厳しいので仕事がしづらい ということだそうです。

会社の規模が大きくなればなるほど 細かい規則・ムダに思えるルールが多い ので、効率が悪いし自由度が少ないしで、仕事をしていて「楽しい」と感じることはなかったとのこと。

そればかりか、大手・準大手は締め付けが厳しい分、社内の雰囲気が重いので、「精神衛生的にも良いとは言えない」と話していました。

 

また、厳しさに比例して売上げが高くなるのならいいのですが、オノヅカさんいわく「会社の規模や知名度は大きく影響しない」とのことで、実際にY社に移ってからのほうが準大手のH社にいたときよりも営業収入(= 売上げ)が上がったそうです。

 

大手・準大手は専用乗り場やタクシーチケットも中小より充実していますが、オノヅカさんにすると、それも売上げには大き影響しないとのこと。

 

オノヅカさん(70歳)
この仕事は、やっぱりクルマをたくさん走らせた分たくさん稼げると思いますね

 

ストウ課長が話していたことと同じで、稼ぎたいなら「『付け待ち』より『流し』!  流すなら大きな街!」が鉄則のようですね。

 

 

 

初めての「僕のお客様」

オノヅカさんが拠点とする中央区を流しながら、添乗研修は進んでいきいます。

いつもは「すぐ手が挙がる」という通勤の時間帯ですが、歩行者が少ない状況ではいくら「東京の中央」と言えども、なかなか手も挙げてもらえません。

出庫して1時間が経とうとしているのに、未だ売上げゼロ。

 

オノヅカさん(70歳)
会社からも「今日はドライブでいいから」って言われているから、気にしなくていいんですよ♪

と言うオノヅカさんですが、さすがに少し焦りも感じはじめているようすです。

 

「そろそろ手が挙がってもいいんだけどな」と、大通りから一本奥に入ると、

 

 

若い男性ビジネスマンが手を挙げていました!

「近いんですけど」と言って乗り込んできた男性は、「そこの交差点を左に入って」「次の信号を右折して」「橋を渡った先で降ろしてください」と指示を出してくれ、2分ほど走った先で降車。

 

初乗りの420円だったとはいえ、今日初めてのお客様であり、僕が関わった初めてのお客様。

やっぱり特別なものに思えてきます。

 

その後も数組のお客様を乗せ、営収約3,000円で午前は終了。

まだデビュー前の僕ですが、4時間走って3,000円では少なすぎることはわかります。

 

オノヅカさんと運転を替わり、僕が運転席に座り午後のスタート。

「仕切り直し」で流れも変わるといいのですが、今の東京は簡単にお客様を見つけることはできません…

 

タクオ
会社もオノヅカさんも「ドライブでいい」って言ってるんだから、俺も今日は売上げのことを考えないようにしようっと♪

 

オノヅカさんと会社の優しさに甘え、運転と道を覚えることに集中すると決めた途端、

 

 

僕と同年代くらいの女性が、僕たちのタクシーを見つけて手を挙げてくれました。

「すみません、すぐ近くなんですけどいいですか?」と言う女性は、急いでいる様子です。

 

先ほどの男性と同じように「次の信号を右折して」「この先斜め右に下る道に入って」と、行先ではなく経路を説明してくれる女性に導かれて目的地に到着。

 

支払いを終えた女性は、

女性のお客様
よかったぁ

おかげで会議に間に合いました


と、笑顔で降りていきました。

 

自分でお客様を見つけ、乗車させ、運転し、代金をいただく。

一人で対応したこの女性のお客様が、僕の初めてのお客様ということになるんでしょうね。

 

オノヅカさんが対応した午前の男性ビジネスマンも特別感がありましたが、この女性客はさらに特別な思いがありました。

顔ははっきりと覚えていませんが、手を挙げてくれた2人のお客様の姿は、一生忘れることがないと思います。

 

 

 

思った以上に長い18時間

その後も何組かお客様を乗せながら、添乗研修は続いていきます。

通常通りに乗客がいれば時間もあっという間に過ぎるのでしょうけど、2時間に1組のペースではどうにも時間が長く感じます。

 

ところで、タクシー運転手特有の「隔日勤務」は、最低でも18時間拘束されます。

タクシー以外のお仕事では、8時間労働+1時間休憩 = 9時間拘束が一般的ですが、タクシーは単純にそれを2倍にして18時間拘束される、というわけですね。

 

ということは、朝の8時に会社を出た僕とオノヅカさんが会社に戻れるのは、早くても翌日の午前2時。

ベテランのオノヅカさんはもちろん慣れていますが、僕は18時間連続で仕事をするのは今日が初めて。

オノヅカさんとの会話が楽しいと言えども、乗客のいない18時間は長く感じられるわけです(苦笑)

 

22時前に神田駅近くの公園で軽い休憩。

ここから東京の新人タクシー運転手にとっての鬼門・夜の銀座へ向かいます。

 

 

 

新人ドライバーの鬼門・銀座乗禁地区

知っている方もいるかと思いますが、夜の銀座は タクシーの乗り方・乗せ方にルールがある ので、タクシーでしっかり稼ぎたい新人は「銀座の掟」を覚えなければいけません。

 

銀座のタクシー乗降ルールは、こちらの記事でもご覧いただけます。

↓ ↓ ↓

タクシー会社が神経を尖らす乗車禁止地区

 

この「銀座の掟」を破ると、運転手個人はもちろん会社にも厳正な罰則が与えられるので、中途半端に足を踏み入れるとたくさんの人たちに迷惑をかけてしまいます。

そこで、オノヅカさんの計らいで銀座に向かったというわけです。

 

緊急事態宣言が出てから、銀座はほとんどのお店が休業しています。

ですので、決められた乗り場にクルマを付けても、お客さんを乗せられるのは何時になるかわからないような現状です。

 

オノヅカさんはこの点も考慮して、

オノヅカさん(70歳)
乗り場には付けません

今日はただ「夜の銀座」の雰囲気を感じてください


と、初めからお客さんを乗せるつもりはなく、ただただ銀座の街を走りました。

 

その最中、お客さんを乗せてはいけない場所で、若い男女が僕たちのタクシーに手を挙げていましたが、乗せてしまったらアウト!

「センター案件」「センター事案」と呼ばれる、面倒な呼び出しや申し開きが待っているわけです(笑)

 

ところが!

次の信号で停止すると、ルームミラーに移った後続車両に先ほどのカップルが乗っているありませんか!!

どうやら僕たちの後ろを走っていたタクシーが「銀座の掟」を破って乗せたようです。

 

ミラー越しに行灯を見てみると、タクシーセンターに4年連続「サービスの改善を必要とする」と評されている会社の車両でした。

会社の方針なのか運転手個人の判断なのかはわかりませんが、たぶん「確信犯」でしょうね。

業界や同業者間のルールや慣習を冒してでも稼ごうとするその姿勢は、決して褒められるものではありませんが、ある意味で見習うべきところもありますよね(笑)

 

 

 

無事故無違反で無事終了

銀座を中心に回った青タン(22時~29時の深夜割増)の時間帯。

歌舞伎町や六本木など他にもいくつかの繁華街を見てみましたが、どこの街も客引きなど「プロ」の姿はあっても、お客さんの姿はほとんど無し…

どうしようもないのですが、勉強になるようなならないような、そんな夜のドライブでした。

 

 

25時を過ぎてちょっとした眠気に襲われたので、↑ この子の力を拝借。

『メガシャキ』を1本飲むと3時間は目がパッチリするので、個人的にはおすすめの目覚ましドリンクです。

(「プラシーボ効果」かもしれませんが 笑)

 

目を覚ましたところで、オノヅカさんと「あと1組くらいは乗せたいですね」と話していまいしたが、何度も言うように今はどうしようもないですね。

時間が来たので、素直に帰庫することにしました。

 

 

 

隔日勤務はキツい?

LPガススタンドで燃料補給してから会社に戻り、今日の乗務は終了。

749分・261km走って10組のお客様を乗せ、営収は13,960円。

 

オノヅカさんいわく、

オノヅカさん(70歳)
いつもの5~6分の1ですよ

寂しい数字ですね(苦笑)

 

オノヅカさんと話しながら運転していたので疲れを感じませんでしたが、一人でやってこの数字だったらどうだったのでしょうか!?

しばらくは今の東京が続きイヤでも体験するでしょうから、楽しみにしておきましょう(笑)

 

添乗研修は、明後日にもう1日あります。

営収は期待せず、接客や道を覚えることだけに意識を向けようと思います。

 

明後日も優しい先輩だといいなぁ。

 

 

 

 

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